古都アイテ―リアで衛兵として働くハンスが、同僚のニコラウスに連れて行かれたのは、居酒屋「のぶ」という名の不思議な酒場だった。異国情緒あふれる店内、寡黙な料理人ノブ・タイショー(信之)、かわいい給仕のシ
衛兵隊長・ベルトホルトが、部下のハンスを伴い、最近噂の居酒屋「のぶ」にやってきた。ベルトホルトは信之の腕前を試すため、古都ではまずいものの代名詞とされる、鶏肉料理を注文する。ベルトホルトの注文にも臆せ
ヨハン=グスタフと、わがままな姪っ子ヒルデガルドという二人の貴族がやってきた。ヒルデガルドの注文は、「臭くなくて辛くなくて酸っぱくなくて苦くなくて硬くなくてパンでも芋でもお粥でも卵でもシチューでもない
麦の仲買人・イグナーツは、妹の結婚相手であるカミルの気の小ささを心配していた。妹を任せられるような立派な男になってほしい。そう願うイグナーツは、未来の義弟の度胸を試すため、ある試練を課す。それは、居酒
ゲーアノートはあの手この手で税金を搾り取る、泣く子も黙る徴税請負人である。居酒屋「のぶ」に目をつけたゲーアノートは、支度中の店で店主・信之の帰りを待ちながら、店の粗探しを始める。そのとき目に付いたのが
衛兵・ハンスはニコラウスから、今日は居酒屋「のぶ」が「キスの日」であることを聞いた。「キスの日」とはいったい何なのか。まさか、しのぶちゃんが、そんな破廉恥な……! 不安と期待を膨らませながら店に立ち寄
居酒屋「のぶ」に盗人が入ったという知らせを受けて、聖職者である助祭・エトヴィンがニコラウスを伴ってやってきた。しかし店は通常通りに営業している。ニコラウスがしのぶを問い詰めると……日中にやってきた小さ
冬の寒さが厳しい夜。珍しくお客の入りも少なく、作った豚汁も余ってしまっていた。もう店を閉めようかとしたら、居酒屋「のぶ」の前に衛兵のニコラウスが倒れていた。しのぶたちに助けられたニコラウスは、その身に
鬼と呼ばれ恐れられるベルトホルトの唯一苦手な食べ物は、イカである。イカ漁師の娘と見合いをすることになったベルトホルトは、信之に様々な料理を出してもらい、何とか苦手を克服しようとするが、どうしても口に運
美食家で知られる〈気取り屋〉ブランターノ男爵とその従者たちが居酒屋「のぶ」に押しかけてきた。用心棒を使って強引に店を貸し切った従者のダミアンは、信之たちに「アンカケユドーフ」を出せと迫る。しかし冬限定
鍛冶職人マイスター(名人)・ホルガ―と、ガラス職人マイスターのローレンツは、互いをよく知る幼なじみ。偶然居酒屋「のぶ」で居合わせて二人は、顔を合わせるなり、にらみ合いを始めてしまう。自分の頼んだ料理の
お客が全員帰っていった閉店間際、その女はいつの間にかカウンターに腰掛けていた。水干を着て、不思議な雰囲気をまとうその人は、油揚げをつまみに冷酒を傾ける。初めて来店した客のはず。だが、その物憂げな目には
宿屋〈飛ぶ車輪〉亭を営むロルフとコローナがやってきた。しのぶの働きぶりに感心したコローナは、孫の嫁にしたいと迫る。突然の申し出に困惑するしのぶの一方で、信之はロルフから「どっちの店の出す肉料理が美味い
帝国の隣国、東王国(オイリア)の密偵・ジャン=フランソワ・モーント・ド・ラ・ヴィニーは、帝国の古都・アイテーリアで潜入調査をしていた。食材の流通能力を調べていたジャンは、居酒屋「のぶ」で出されたサラダ
水運ギルド「金柳の小舟」のラインホルトの部下が、「水竜の鱗」のゴドハルトの縄張りに手を出してしまった。ゴドハルトはラインホルトに賠償を迫るが、落ち目の「金柳の小舟」には、運河の漁業権くらいしか出せるも
無事にヘルミーナと結婚し、古都へ凱旋したベルトホルト。しかし新居への引っ越しを失敗し、ヘルミーナを居酒屋「のぶ」へ預けてほしいとやってくる。ちょうど「のぶ」はうなぎの蒲焼きが評判になって、大繁盛してい
開店以来一日も休んだことのない店〈花園の熊〉亭が店を閉めることになった。常連客たちは店主のビョェルンを囲み、盛大に人生の門出を祝う。信之はビョェルンへのはなむけとして、天ぷらの盛り合わせを振る舞った。
ベルトホルトとハンス、ニコラウスは、いつものように居酒屋「のぶ」で飲んでいた。今日の話題は、唐揚げの味付けは「シオ」と「ショーユ」どちらを注文するか。シオ派のベルトホルトとショーユ派のニコラウスは、自
東王国(オイリア)の女傭兵・リオンティーヌは、北方の貴族の元へ向かう途中、ある人物を探していた。それはかつて剣を交えた、〈鬼〉と呼ばれる飛び切り腕の立つ男。戦場で相まみえたあの男は、いまどうしているの
古都アイテーリア屈指の商人である市参事会議長バッケスホーフが、居酒屋「のぶ」の買収に乗り出した。しかししのぶはその申し出を頑なに断ると今度は「トリアエズナマは御禁制の酒である」と脅してきた。帝国の法律
信之としのぶの運命の日がやってきた。トリアエズナマが御禁制のラガーではないかという嫌疑について、調査担当のゲーアノートは、持ち前の能力を遺憾なく発揮して調べ上げた。確かに違法な手段で持ち出されたラガー
貴族・ヨハン=グスタフが、威厳のあるひとりの老人を連れてきた。老人はトリアエズナマを味わいと快活に笑い、様々な料理を味わっていく。コアジのナンバンヅケやアジフライ、どれも老人が味わったことのない異国の
先帝の命令で、ラガー流通の許可がおりた。その報告に喜ぶしのぶたち。久々に居酒屋「のぶ」を訪れたゲーアノートはここぞとばかりにナポリタンを注文する。それができるまでの間、先日行われたという北方三領邦との
ブランターノ男爵が、上物のエールの樽をたくさん持ち込んで、客全員に振る舞ってくれた。普段は保存状態の悪いエールしか飲んだことのなかった客たちは、本物の香り高いエールに気分が良くなっていく。居酒屋「のぶ