忙しさに追われて、旅行どころか休日もろくに取れない鬼灯。趣味の金魚草の世話すら昼休みにするしかない。そんなある日の夕食どき。閻魔殿の食堂で、激務の合間の息抜きとばかりに現世の番組を見ながら夕食をとる鬼
閻魔殿の書類棚を整理していた唐瓜と茄子。うっかり落としてしまった大そう古い巻物には、十王の名前と、代々の第一補佐官達の名前が書かれていた。閻魔大王の第一補佐官は鬼灯。しかし、そこには二代目と書かれてい
地獄アイドル、ピーチ・マキと、同じ事務所の売れないアイドルのミキは『鬼卒道士チャイニーズエンジェル』で共演……正確に言えば、ストーカーをぶっとばしたのをきっかけに、ユニット「まきみき」を組み大ブレイク
古代の中国では、麒麟・鳳凰・霊亀・応龍を四瑞とし、優れた王の治世に現れるという伝説を持つ神獣・白澤などを合わせて瑞獣と呼んでいた。為政者達は彼らをめでたい吉兆の印として敬っていたという。それからウン千
衆合地獄の花割烹狐御前の店先で、今日もだらりと寝そべり煙管をふかす檎。そこに貸した金を回収がてら特ダネを探す小判が声をかける。「金返せ」。しかし、だらけきった檎は木の葉を小判に変えるのも面倒くさいと、
誰もが思いえがく閻魔大王像。そのイメージに一番近いのが、十王の一人、第一裁判長の秦広王。いつも亡者に閻魔大王と間違われては大王に申し訳ないと嘆いている。そんな秦広王をフォローするのは鬼と見まごう天然パ
昔も昔、大昔。神代の現世では、山神ツートップの一人、サクヤ姫が天孫ニニギノミコトの子を身ごもるが「ほんとに俺の子?」と疑われてキレていた。時を同じくして地獄では、幼い鬼灯が友人の烏頭と蓬に自作のマジッ
小さな頃から悪ガキで有名な歌がある。15で不良と呼ばれたその歌詞を、ギターがわりに箒を掻き鳴らして無邪気に歌うシロ。15の夜といい人間の15歳には何かあるのかと柿助が不思議がり、トガる時期の象徴ではな
マンガにアニメにイベントショーと、小さなお友達から大きなお友達まで大人気の『鬼卒道士チャイニーズエンジェル』。アニメよりも原作派の蓬が、唐瓜と茄子に原作愛を語りだすが、あまりのマニアックさに引かれてい
ネタを探して、今日も小判が衆合地獄の花街にやって来る。今日も今日とてだらける檎だが、小耳に挟んだ話を話し出す。なんでも十王は道具を使って亡者の罪を量るが、第三裁判長の宋帝王は猫と蛇で罪を量るらしい。そ
人ゴミで賑わう現世のオフィス街。雑踏の中では、地獄アイドルのマキとミキの二人が「まきみきのあちこちレポート」の収録を行っていた。鬼だとバレないように現世の服を着た二人、さっそく現世日本を守るビジネス戦
茄子の歌う歌を不思議がる鬼灯。母親がよく歌っていたので、メジャーだとばかり思いこんでいた茄子は驚く。母ちゃんって急に変な持ち歌歌いだすよな、と言う茄子に、わかるといった様子で唐瓜が笑う。どこのお宅にも
ギリシャにエジプト、世界の神話では善悪を測る道具として「秤」を使うことが多く、日本の地獄にも秤を所有する庁がある。そこは4番目の裁判所だが、名前は五官庁。第一補佐官・樒の口癖は「大丈夫?ちゃんと美味し
「そもさん」「せっぱ」ではじまる禅問答。どこにいて、どこに行くのか。ここにいて、ここで仕事しています。と答えた鬼灯の目は、何徹目なのかすわりきって怖い。問い掛けた主は一休さんこと、一休禅師。有名な人物
緊迫した空気のなか、裁判長席の閻魔がビシっと笏を突きつけ、威厳をもって亡者に判決を言い渡したその瞬間!裁判の見学は以上、と新人たちに告げる唐瓜。研修中の新人たちに、先輩らしくテキパキと指示を出す唐瓜の
初めての映画出演を終えたマキは、監督に次の作品の役をオファーされる。なんとその役は「ドジ魔女っ娘」。年齢的にギリアウトでしょと怒るマキは気を取り直して台本を見るが、その呪文の難解さと奇妙さに不安になる
お稲荷さんこと、稲荷大明神の主神は、宇迦御魂と荼吉尼天の二人である。元々悪鬼だった荼吉尼天は、今では閻魔庁のお迎え課の主任として働いているが、そのお迎え課、どうもマゾ男の巣窟になりつつあるという。ちな
ジリリンと鳴る烏天狗警察の黒電話。最近、滝夜叉姫と名乗る女性が頻繁に電話してきては、何を話すでもなく切ることが続いていた。滝夜叉姫は、あの平将門の娘。父の無念を晴らすべく、丑の刻の神と契約して一騒ぎを
昔々、天照大神が突然、現世は我が子に治めさせよとのたまい、大国主命に使者を出したものの、全員大国主側についてしまう。そこで雉を遣わし使者に忠告させるが、使者は天探女にそそのかされて雉を殺す。この天探女
狐喫茶・ヤカンカンで食い逃げが発生する。責任者の檎を前に妲己が始めたのは中国の拷問話。要はさっさとそいつを見つけてとっ捕まえてこい、この能無し。という意味だが、人から金を取ることに関しては人一倍の檎を
トコトコとどこかへ向かう柿助を、シロとルリオが呼びとめる。どうやら休日を利用してゲームセンターに行くらしい。柿助は猿。犬やキジと違って器用に手が動くので、遊べるゲームが多いと言う。そのせいか、自分につ
『かちかち山』のあの兎こと、芥子。ニホンノウサギのメスだが、絵本の場合は仇討ち話からしてオスっぽく見える。それは芥子の硬派な気質によるところが大きく、友人の兎たちからイケオスが来るからと合コンに誘われ
アイドルユニット・まきみきとしてブレイク中のミキ。街を歩けば、そこかしこで人々の話題にあがっているが、いい話ばかりとはいかない。そんなミキが訪ねてきたのは、花割烹狐御前。居合わせた小判が、ミキの語尾を
桃太郎や一寸法師が過去を克服したのを見てきた芥子は、自分の「〇ヌキ」嫌いを克服せねばと思っていた。芥子が目指すのは、狙いをコントロールし亡者のみを攻撃する精度。頭では「タ〇キ」の全てが悪い訳ではないと
亡者が渡る三途之川。シロと柿助が水遊びをしていると、ルリオが慌てたように、ここは遊泳禁止だと言いに来る。一足遅れて、奪衣婆が鬼婆のような剣幕でそこから出ろと怒鳴りつけ、ルリオの足を掴んで「舌切ってやろ
現世はパソコンウィルスにネット犯罪といろいろ大変。シロも自分が生まれた室町時代も悪い鬼は来るし病は流行るし大変だった事を思い出す。そこに、鬼灯が桃太郎と知り合いと聞いた源義経から、相談事が持ち掛けられ
鬼灯による「マルキ・ド・サドとレーオポルト・ファン・ザッハ・マゾッホの生涯」の朗読が終わる。座敷童子たちは静かに立ち上がり、完全な無表情のまま拍手し続ける。おそらくスタンディングオベーションなのだろう
『マニアと非マニアの温度差』
秋は紅葉の季節。地獄では金魚草も紅葉する。
閻魔殿裏の金魚草畑で水をやる鬼灯のそばでは、写生する茄子と、
息も絶え絶え青紫色の金魚草を気味悪そうに見つめる唐瓜の姿。