憧れだけで淡島に飛び込んだ若菜を待ち受けていたのは厳しい共同生活だった。
「なんでこんなところ来ちゃったんだろう」
挫けかけた彼女に同室の先輩、絹枝は語る。それはかつて夢を共にした友達のこと。
淡島(あわじま)歌劇学校には、
舞台に立つことを夢みる少女たちが全国から集まってくる。
ミュージカルスターに憧れて入学した、新入生の若菜。
親友の思いを背負って学び続ける、寮長の絹枝。
圧倒的な存在感
「ねえあんた、脚本(ホン)書いてみなさいな」その気まぐれな言葉のままに舞台作家になった長谷川慎爾。若菜の取材で語られるのは、母であり女優の夏木詩子を追い続けた男の過去だった。